176話 消費者庁 トランス脂肪酸、表示義務化?

トランス脂肪酸、表示義務化 消費者庁、まず指針案  :日本経済新聞
http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819695E2EAE2E0878DE2EAE3E2E0E2E3E29180EAE2E2E2
マーガリンなどに含まれ、過剰摂取すると動脈硬化などを引き起こすとされるトランス脂肪酸について、消費者庁は8日、たんぱく質、熱量などの栄養成分とともに食品への含有量表示を義務付けることを決めた。11月にも専門家などでつくる検討会を設置。来年夏をメドに具体案をまとめ、来年度以降に制定を目指す食品表示の一元化に関する法案に盛り込む方針。

トランス脂肪酸に関する情報 - 消費者庁
http://www.caa.go.jp/foods/index5.html

トランス脂肪酸か。これは諸説あって微妙だなー
まぁ、一般的な見解が「有害じゃね?」ということだから、その線で行こうぜ。
で、特に微妙なのが、トランス脂肪酸の定義だなー

pdf注意:トランス脂肪酸の情報開示に関する指針(案)の概要
http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin416.pdf
(コーデックス委員会において採択された定義)
共役二重結合がなく、少なくとも一つのメチレン基によって離されたトランス型の炭素-炭素二重結合がある不飽和脂肪酸のすべての幾何異性体をいう。
(注)トランス脂肪酸には、天然由来のものと工業的に作られたものが存在するが、これらを正確に区別し分析することができないため区別して取り扱わない。

ということで、天然由来かどうかは関係なく構造で決めるから、バターやチーズのtrans-バクセン酸(18:1 trans-11)は少なくともトランス脂肪酸に入る。
この辺の議論が一番微妙なんだよね。牛に関連する産業の人って怖いからアメリカじゃ牛由来は対象外だけど、怪しいよな
大体、問題になる脂肪酸はオレイン酸由来のエライジン酸(18:1 trans-9)だけど、trans-バクセン酸と何が違うの? という議論はあるだろうな。
一番てっとり早い資料はこれか。

食品安全委員会:「ファクトシート:トランス脂肪酸」
http://www.fsc.go.jp/sonota/54kai-factsheets-trans.pdf
2008年国際連合食糧農業機関(FAO) と世界保健機関(WHO) による、脂肪及び脂肪酸に関する合同専門家会合の報告書より:結論
●確証的な根拠(全て若しくはほぼ全ての研究で結果が一致している)
工業的に作られたトランス脂肪酸は、冠動脈性心疾患にかかるリスクを高める。冠動脈性心疾患につながるLDL(悪玉)コレステロールを増やすだけでなくHDL(善玉)コレステロールを減らす。こうした影響は過去に考えられていたよりも大きかった。
●おそらく確実な根拠(大多数の研究で結果が一致するが、一致しない結果もある)
工業的に作られたトランス脂肪酸は、冠動脈性心疾患による死亡、突然死、および糖尿病にかかるリスクや、メタボリックシンドロームと診断される内臓脂肪の蓄積(腹囲)・脂質異常(コレステロール、中性脂肪)、高血圧(血圧)、高血糖(空腹時血糖)の数値を高める。
●今後の課題
現在、WHOでは集団におけるトランス脂肪酸の平均摂取量は最大でも総エネルギー摂取量の1%未満と勧告しているが、摂取が高い人々のことを完全に考慮していないので、このレベルを考え直す必要があるかもしれないと認めている。このことは、人が食べる食品から工業的に作られたトランス脂肪酸を排除する必要性に十分つながる。

(2)トランス脂肪酸の種類と測定方法
トランス脂肪酸には炭素数、二重結合の位置と数により多くの種類があります。例えば、水素添加された植物油に含まれる主なものとして、エライジン酸(炭素数が18、二重結合が1つ)が知られていますが、これはシス型のオレイン酸がトランス型になったものです。
また、上記(1)の④で生成するトランス脂肪酸としては、エライジン酸と炭素数及び二重結合数が同じで二重結合の位置のみが異なるバクセン酸が知られています。
これらを含めて多くの種類のトランス脂肪酸が存在しますが、体内におけるそれぞれの代謝や生理作用の詳細はよく分かっていません。

割と科学的で読みやすい。リスクも解りやすいし。いい資料。
結局エライジン酸とtrans-バクセン酸の差は良く解らないのか
細かいところを突っつくと怖いからやめとこう。
この表に出てる分類で、平均値が0.5g/100gを超えるものは、マーガリン類・食用油・ラード牛脂・ショートニング・ビスケット・スナック菓子・ケーキ類・マヨネーズ・牛肉・バター・チーズ・クリーム類
植物油水素添加由来のマーガリン・ショートニングが主で、次に乳製品、その後ろに肉牛と一般的なサラダ油が続く感じだな。

日本におけるトランス脂肪酸の摂取については、1999 年に、硬化油、乳、乳製品、肉、バター、精製植物油の摂取量を考慮して推計したものによると、トランス脂肪酸の摂取量は一日当たり平均1.56g となっており、摂取エネルギーの0.7%に相当すると報告されています。摂取の由来の内訳としては、硬化油に由来するものが平均0.91g(トランス脂肪酸の一日当たり平均摂取量の58.4%)、乳、乳製品に由来するものが平均0.27g(同17.3%)、牛肉に由来するものが平均0.13g(同8.3%)、精製植物油に由来するものが平均0.25g(同16.0%)とされています。

一応、トータルで総エネルギーの0.7%程度だから、WHOの勧告の総エネルギー中1%未満よりは少ない。
でも、個人差大きそうだな。ビスケットを食事代わりにしてるスイーツな人々って結構いそうだし

pdf注意:脂質と脂肪酸のはなし
平成22年9月消費者庁食品表示課
http://www.caa.go.jp/foods/pdf/100910_3.pdf
2010年山田、佐々木、村上ら:Journal of Epidemiology誌(20巻:119-127頁)対象:4都市に在住する30-69歳の男女225人。方法:16日間(4日間を3ヶ月に1度×4回)の食事記録を行い、摂取量を推定。
結果:成人男女225人の1日の平均摂取量と、摂取量に最も寄与した食品類:
男性:1.7g(総エネルギーの0.7%)で油脂類。
女性:1.7g(総エネルギーの0.8%)で菓子類。
一部の人々(男性の5.7%・女性の24.4%)がWHOの勧告(最大でも総エネルギーの1%未満に)を上回り、都市部の30-49歳の女性で特に高かった。

おー、女性の24.4%がWHO勧告以上にトランス脂肪酸をとってるんだってよ
男の5倍いるってのはすごいな。24.4%って、既に一部じゃないし。
都市部の30-49歳の女性が特に高いって、思いっきりスイーツ大好き人間じゃない。下手すると半分超えてるんじゃないの?
スポンジケーキやパイにクリームが付いてたら、その時点でダメだよね。
生クリームで作っててもトランス脂肪酸量多いんだから、植物系クリームだったら一発でアウトっぽい
店売りだと表示の対象外だったりするんだけどね。

評価案件ID cho20070330002
評価案件 食品に含まれるトランス脂肪酸の評価基礎資料調査
資料日付 2007(平成19)年3月30日
http://www.fsc.go.jp/fsciis/survey/show/cho20070330002

これの巻末の資料が面白い。
今までの資料って、統計取っていてばらつきが良く解らないけど、これを見ると品種ごとにものすごいばらつきがある
リアリティーありすぎる。チョコスプレッドとか。ポップコーンもすごいし、「乳等を主原料とする食品」はロシアンルーレット状態。
クッキーとかパイもすごいよね。○○パイ的な半生菓子も結構入ってるし
平均値じゃなくて実測値がこれからどんどん表に出るんだな。楽しみだ。
大きな会社なら、対応するでしょ
ま、表示が確定すれば、この実測値は半減するだろうね。
ファストフードはどうするかな
油を変えると予想。そしてマズくなる。
ケーキ類は?
原価命の人だったら代替油脂が安くなるまで変えないし、そうでない人はもともと使ってない。結局ロシアンルーレットで今と変わらない。
FDAの予測によると、アメリカでこれやって、240人から480人の命が救われるらしいから、かなりどうでもいいレベルの施策だわな
日本じゃその1/10レベルじゃないのかな。もともと油をあまりとらない人が多いんだし。
せいぜい100人のために大げさなことをやるって、消費者庁らしいね

にほんブログ村 お笑いブログ 自作面白ネタへにほんブログ村 ニュースブログ 面白ニュースへにほんブログ村 株ブログ 専業投資家へ
↑上のランキングは気に入ったら押してくれ。金にはならん。単なる自己満足だ。
↓下の広告はエキサイトが勝手に入れてるので、俺は知らん。変なのは押すな。
[PR]
by fujisobadan | 2010-10-09 17:52 | 雑談